報告 2017年11月25日更新

「まちの音楽室」を開催しました


2017年10月7日(土)にくろい音楽室として新たな企画となる「まちの音楽室」を開催しました。仙台市内の街中に点在する音楽スポットを「まちの音楽室」として捉え、音楽にまつわるエピソードを探りながらともに巡りました。

報告:濱田直樹(宮城アナログ文化協会)
写真:清水チナツ(せんだいメディアテーク)

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あいにくの天気でしたが、午後には落ち着き参加者のキャンセルもなく無事に出発!まずは本町にあるstore15novさんへ。美術家でもある店主の青山さんからは、表裏で100ループも入ったレコードや鉄?とレコードが組み合わさったインダストリアルミュージック(実験音楽・ノイズ)のレコード、ジャケットを作らず盤面に付く傷をそのままノイズとして活かすレコードなど、まるでレコードの概念を覆されるような不思議なレコードの数々を教えていただきました。参加者のみなさんは目を丸くしながらも興味深く耳を傾けていました。お店を後にする時に自然と起こった拍手がとても印象的です。

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2店目は本町にあるディスクノートさんへ。入り口の「ようこそ!歓迎!」のメッセージとともに、暖かく迎えていただきました。この日はオーナーの河内さんがご不在だったため、オーナー夫人からお店の歴史や印象に残るエピソードなどを伺うことに。お店の歴史について聞き進めていくと、かつて仙台で起こった音楽ブームが浮かび上がってきました。以前にくろい音楽室展で企画したレコード袋のお話などもあり、仙台における音楽文化史の一端を窺い知ることが出来ました。また外国からの来店も多く、マニアックな日本の昔の歌謡曲をYouTubeなどを通じて知り探しているようだ、というお話は現場ならでは。他にも興味深いエピソードが満載でした! 後半のフリータイムには参加者でロック好きの小学生が本領発揮!悠然と店内を動き回り、ローリングストーンズなど試聴を繰り返す姿はまさしくディガーの鏡!彼の真摯なレコードへの眼差しに同伴していたお父さんも驚いた様子でした。ちなみにレコードを知ったきっかけは、ブルーハーツの甲本さんのインタビュー記事だそうです。ディスクノートには他にもロック好きの中学生が定期的にレコードを掘りに来ているらしいですよ!
また以前、オーナーにお話を伺った際はお店を始めた思い〜音楽を伝える役目ということについても熱心にお伝えていただいたので、改めてどこかでお話を伺う機会を作れたらいいなぁと思っています。

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3店目となるラストは開店から46年目に突入した老舗のロックカフェ ピーターパンさんへ。入店から、「おおおっ」と声が沸く独特な雰囲気の中、オーナーのご子息で2代目の長崎さんからお話を伺いました。長崎さんはロックカフェが出来た時代背景〜当時の状況などをレコード史とともになぞり、話はレコードの重量やそれにまつわる音質、ダウンロードコードなど現在までにおけるレコードの変遷とその多様性へと膨らみました。おすすめしてくれたジョン・グラントの音楽もそうですが、単純な音楽性のみではなく、その社会的背景や意味を丁寧に汲み取って伝えてくれたことは、きっとこれまでの日本の音楽史において音楽喫茶が担ってきたことなのだろうなぁと想像を膨らませていました。気がつけばついつい時間が押してしまったので、メディアテークへ。参加者のみなさんに匿名で感想を書いていただき、主催者の濱田が発表したところで今回のまち歩きはお開きとなりました。

※参加者のみなさんに書いてもらったコメントはこちらです


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