報告 2025年09月24日更新

まち・ひとスケープ#23 「西公園DE人形劇テント公演」


令和7年3月26日(水)仙台市青葉区の西公園にて「西公園DE人形劇テント公演」という、野外での人形劇公演が行われました。このイベントは園内に子どもの遊び場を定期的に設けている「西公園プレーパークの会」の活動20周年を記念して開催されたものです。

 

テント公演の企画者であるみやぎ人形劇の会・横田重俊さんによると、50年近く前には西公園で人形劇まつりや演劇の移動公演があったそうです。横田さんはいつか人形劇を再び野外でやってみたいという願いをかなえるためテントを準備し、満を持してこの日に臨みました。

 

予定していた演目は人形劇3演目と紙芝居、ワークショップ、さらには餅巻きという、参加者に存分に楽しんでいただけるような内容です。準備の段階から子どもたちの期待が高まり、開演前から大賑わい。

 

最初の演目は人形劇「みやにんのさんぽ」。猫のみやにんと芋虫のいもむしくんの出会いをギター演奏と、ノンバーバルの人形表現で演じます。見たことのないものに出会った二人のユーモラスな行動に客席からどっと笑いが起こり、テントの中は熱気で包まれます。そしてこのあたりから前日からの予報通り、風が強まり時に大きくテントを揺らし始めました。

3演目めの中盤から風はますます勢力を増し、テントごと吹き飛ばされそうな状況に。そんな中でも上演を続けていた演者も「ごめんね、今日はこれでおしまい!」と、公演は中止に。

 

強風でテントや人形劇の舞台である蹴込などの道具を片付けることもままならず、とにかく子どもたちを安全にテントの外へ案内し、大人たちはお客さんも協力して大きく風をはらんだテントを押さえました。子どもたちはそんな大人たちの様子も気にせず、風と一緒になって遊んでいます。それもそのはず、集まった子どもたちの多くは「西公園プレーパークの会」で四季を通じて自然の中で遊びを生み出してきたつわものでした。

 

砂だらけになったテントや道具を演者総出できれいに払い、拭きながら横田さんは「これだけの経験をしたら、もう怖いものはないね。人形劇はきっとどんな場所でもできる」と大声で笑いました。お客さんにも演者にも誰ひとりケガ人がなかったことが何より安堵することでしたが、この経験でみやぎ人形劇の会の結束はより強いものになったようです。

 

「西公園DE人形劇テント公演」(動画)