報告 2019年01月26日更新

スローウォーク・実施記録(1)


2018年10月。
スローウォーク創始者の篠原さんが来仙し、吉川くんも帰国。初めてメンバー全員が集合。
ハピナ名掛丁内の350メートルを90分かけて歩く予定が、1時間ちょっとでゴール地点へ到達する。この通りは人の往来が多く、流れも速いからだろうか。
振り返りの時間に、一緒にスローウォークをしている人が視界に入るのが気になる、という意見や、スローウォークのはじめかた、時間も距離も決めずにやってみてはどうか、という案が出る。

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篠原さんの後ろ姿

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アーケードを横切る私


2018年11月。
毎月持ち回りでスローウォークのルールを決めて歩いてみることにする。
今月の担当は吉川くん。今回は、実施日は一緒、歩く場所と時間は各自自由。夜に集まって振り返りをすることになった。
振り返り。千葉くんは、橋に描かれた落書きに焦点がいき、吉川くんは、見えたもの思ったことをとにかくつぶやき続けた声を電話に吹き込み、白鳥くんは、地面の感じが変わると歩きかたも花魁のようになったと話してくれた。
同日にどこかでやる、というただそれだけの括りでスローウォークをやるのはおもしろいね、という話になった。また、アーケード、人の流れのある場所という部分は見失ってはいけないんじゃないか?という意見もでた。
初めてお酒を飲んで歩いてみた白鳥くんは、篠原さんが言っていたことがわかった気がした、と言っていた。(空っぽになれる、みたいなこと)

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白鳥くんが歩いた定禅寺通りのグリーンベルト


2018年12月。
キャプテンは千葉くん。今回は、実施日は一緒、歩く場所は仙台駅前のペデストリアンデッキを通常の速度とスローウォークの速度で歩いてみる、時間は各自自由。夜に集まって振り返りをする。

この日は、雪がちらついていたこともあり修行のようなスローウォークだった、と全員意見が一致。それでも、他人の視線が刺さるようだったことや、建物の出入り口付近をスローウォークで歩くのは人がどっと出てくるのでなかなか怖い、という感想がでた。
なんか「スローウォークに慣れてきている、というか上達しているよね」という話もでる。
確かにそれはあって、すぐにスローウォーク仕様の速度で歩けたり、だいたいあの辺までかな、という距離の予測がほぼ的中するようになってきたり、と。

スローウォークってなんなんだろう?どうやるのが、どういう形で残していくのが良いんだろう?
やればやるほどわからなくなってくるけれど、スローウォークでしか気付けないことを大事にしたいよねぇ、と。
各自のスローウォークを探す感じなんじゃないか。
これは啓蒙するようなものではないけれど、
いろんな人の、私たちメンバーだけでなくスローウォークに興味を持ってくれた人たちの実施報告というか、記録書を集めてみようか。自分たちもスローウォークを初めてやったときの驚きがいちばん強烈だったから、だから、スローウォークをやってみた人のそれを集めてみる。
それが集まってきたら、もしかしたら何か見えてくるかもしれない。

4_IMG_0585.jpegのサムネイル画像
仙台駅ペデストリアンデッキ周辺で撮影したもの


2019年1月。
年が明けて最初のスローウォーク。
今日は10月、11月、12月と実施してきて、今どのような状況にあるのか。
メディアテークの林さんにこれまでの報告をしつつ、メンバー内で整理する時間にあてた。
今月キャプテンの白鳥くんが、スローウォーク実施記録書を作成してきてくれた。

スローウォークは、ゆっくり歩く。ただただゆっくり歩くということが目的なので、普段目を留めないようなものまでが情報としてどっとカラダの中に押し寄せてくる。
頭がものすごいスピードで情報を処理しようと働いているのを感じる。
日常は、自分にとって必要な情報とそうじゃないものとを無意識にフィルターをかけ、選別しながら生活していることに気づく。
どのくらいの情報を切り捨てながら私たちは毎日を過ごしているんだろう。
ネット社会になり、どんどん世の中のスピードが加速し続けている。
すべてにおいて速いことは良いことなんだろうか。
人として手放してはいけないものまで捨てて生きてしまっているんじゃないか。
メンバーと話をしながらそんなことを思った。



文:千葉里佳
写真:白鳥大樹・千葉里佳


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