報告 2012年05月26日更新

3.11定点観測写真アーカイブ・プロジェクト 公開サロン「みつづける、あの日からの風景」第1回レポート


【開催概要】
日時:2012 年 5 月 26 日(土)14:00-16:00
会場:せんだいメディアテーク 7f スタジオa
(参考:https://www.smt.jp/projects/teiten/2012/05/3-11--1.html


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第1回にあたる5月26日は、せんだいメディアテーク7fで、震災の記録写真ご提供者5名のゲストをお招きし、ご自分の撮った写真をもとに、その時の状況、なぜこの写真を撮ろうと思ったのか、などをお話ししていただきました。

「七輪と鍋で炊いたご飯は、震災翌日の3月12日、義理の母が料理を作ってくれたところを撮ったものです。停電の中、炊飯ジャーに頼らず米を炊く。食器は洗えないので茶碗にはラップを敷く、お皿ではなくお弁当のカップを使う、など、そこには生活の知恵がたくさんありました」。他にも、3月17日、灯油購入のためガソリンスタンドに並ぶ人々の姿など、生活に密着した震災写真が紹介されました。

休憩をはさんだ後、3.11を撮りつづける定点観測のあり方について、意見を交わしました。震災当時の写真と、同位置から撮影された数カ月後の写真を見比べ、復旧・復興がどう進んでいるのか、あるいは進んでいないのかを、みなさんと一緒に考えました。あの時並んでいた買い出しの行列は消え、普段のお店に戻っている風景や、9カ月経ってもガレキがそのままの風景などが紹介されました。定点観測のあり方について、今でもほぼ毎日のように、自宅から同じ風景を撮り続けているという方がいらっしゃいました。また、定点観測とは言え、図画がピッタリ合わなくても、キッチリ同じ場所と合わなくても、ある程度の雰囲気は伝わるのではないか、という意見などが出されました。

会は終始、和やかな雰囲気で行われました。参加者の話を伺いながら、定点観測をするということは、震災当時と今の自分と向き合うことなんだということに気付かされました。復旧・復興の過程は記録しなければ忘れられてしまうおそれがあります。今後の復旧・復興の様子、街がどう変化していくのか、変化しないのか。被災地に住む私たちの責任として、じっくりと記録し続けていきたいと思っています。

報告:NPO法人20世紀アーカイブ仙台




*この記事はウェブサイト「考えるテーブル」からの転載です(http://table.smt.jp/?p=3689#report


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