報告 2022年07月20日更新

【報告】手ではなすおはなしの会2022、他


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ろう者と聴者によるボランティアグループ「まほうの手」のメンバーによる「手ではなすおはなしの会」を開催しました。6月中旬と7月初旬という短い間隔での開催は、実はこれまでになかったことです。それぞれレポートします。

手ではなすおはなしの会2022
[日時]2022年6月19日(土)
[会場]せんだいメディアテーク 7階 会議室a,b

「手ではなすおはなしの会」とは
聞こえない子どもたちが絵本の世界を楽しめるよう、2006年より始まった手話によるおはなし会。せんだいメディアテークと仙台市民図書館が連携して開催しています。

手話による読み聞かせ......。いったいどんなものなのか、ちょっと不思議に思いませんか?手話ですから、おはなしの会が始まっても会場内はしーんとしています。でも心配はご無用。身振り手振り、豊かな表情を交えた手話での読み聞かせが始まると、会場内は読み手と本に釘付け。みんなすっかり夢中になってしまうのです。

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手話は、日本語とは異なる独自の文法体系を持つひとつの言語です。「手ではなすおはなしの会」は、日本語の音声による読み聞かせに手話をつけるのではなく、すべて手話という言語だけで読み聞かせをおこなっています。

この日読んだ本と読み手
午前の部
1.バルボンさんのおでかけ(とよた かずひこ著/アリス館) 千葉百華さん
2.すいかのたね(さとう わきこ さく・え/福音館書店) 加賀恭子さん
3.なまえのないねこ(竹下 文子 文、町田 尚子 絵/小峰書店) 平井美和子さん

午後の部
1.またぶたのたね(佐々木 マキ 作/絵本館) 佐藤真奈さん
2.カラーモンスター(アナ・レナス 作、おおとも たけし 訳/永岡書店) 黒澤里穂子さん
3.あかまるちゃんとくろまるちゃん(上野 与志 作、村松 カツ 絵/ひさかたチャイルド社) 小野恵理さん

午前と午後にはそれぞれてぶくろシアターも!
手話への興味を育み、覚えるきっかけになればと、食べ物や色に関連するカラフルな手袋で遊びました。おはなしに合わせてアイテムを動かしながら「赤、青......」と、みなさんといっしょに手話で参加できます。絵本とは違う手話の世界を楽しんでもらえたようでした。

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ミニ・手ではなすおはなしの会
[日時]2022年7月9日(土)
[会場]せんだいメディアテーク 1階 オープンスクエア

仙台市民図書館主催の『にこにこ赤ちゃん・えほんのひろば』というイベントへ、まほうの手メンバーが参加しました。

読み手の手の動きを不思議そうに見る赤ちゃん。ページをめくると、絵本の内容がわからなくてもじーっと集中して絵を見つめては、時々お母さんの顔を見て笑っていました。お母さんも自然と赤ちゃんに優しく手を添えながら語りかけていました。

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読み聞かせは、親子のふれあいを豊かにし、楽しい時間を作ることができます。簡単な手話を使い、絵本を通じた会話を楽しむ中で、赤ちゃんは様々なことばに出会い、また、何度も物語にふれることで、絵本に親しみを持つようになるのでしょう。

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終了後のアンケートからはろう者・聴者に関係なく、物語の世界を楽しんでいただけた様子がわかります。

・とてもきれいな分かりやすい手話でした。表現もすばらしいです。今後も活動がんばってください。(青葉区/60代)
・絵本の内容を手話だけでなく豊かな表情や身振りで伝えていることに感動しました。文章に書かれていない行間のイメージも分かるような語りでした。(青葉区/60代)
・聴覚障害のある子供が気軽に参加できるイベントがほんとうに少ないので、またこのような機会をつくってください。(青葉区/30代)
・子ども達がとても楽しそうなのが印象的です。(略)読み聞かせ...とてもとても表情・表現が豊かで、私は聴者ですがものすごく楽しかったです。ありがとうございました!(50代)

おはなしの会で読んだ絵本は、仙台市民図書館の2階にある「児童書コーナー」で借りることができます。気になる絵本をおうちでも楽しむことができます。ぜひどうぞ。


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