報告 2014年03月02日更新

第31回てつがくカフェ「震災後、この場所からの<問い>〜せんだいメディアテーク『考えるテーブル』から考える」レポート


【開催概要】
日時:2014 年 3 月 2 日(日)15:00-17:30
会場:せんだいメディアテーク 1fオープンスクエア
ファシリテーター:西村高宏(てつがくカフェ@せんだい)
(参考:https://www.smt.jp/projects/cafephilo/2014/03/31-.html


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今年度最後のてつがくカフェは、「としょかん・メディアテークフェスティバル−対話の可能性−」のなかでにぎやかに開催されました。

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震災以降にはじまった「考えるテーブル」には今年度11のさまざまなプロジェクトが持ち込まれ、市民のみなさんにホストをつとめていただきながら、それぞれの問題意識をもとに展開してきました。この場ではすべての協働団体が一堂に会して話題提供して頂くなかで、そもそも、この「考えるテーブル」という場所ではなにを問い、投げかけ、探ってきたのか、また今後なにを問うていくのかを集まったみなさんとともに考えたいと思っていました。

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最初は各協働者の方々から、プロジェクトの紹介を行っていただきました。個々の活動が、それぞれ光り、幅広い活動や問題意識が見えてきました。

そのあと、みんなで対話する「てつがくカフェ」の時間です。

ここでは、「震災後、この場所からの<問い>」からスタートし、以下のようなあらたな<問い>がみなさんから導かれました。


「みんなにとって<美しい>ってどういうことだろう?」

「わたしたちは本当の意味で<考える>ことをしているだろうか?」

「人の話を<聞く>ということは命がけのしごとである。<聞くこと>を今一度考えてみてはどうか?」

「震災後のことだけでなく、震災前を捉え直してみてはどうか?」

「他者を介して、あらためて自分の存在を問い直してみてはどうか?」

「課題解決型ではなく、ビジョンを共有するにはどうしたらよいか?」

「それぞれの活動のエンジンとなる<愛好>とはどこから生み出されるのか?」

「ものごとを単純化せずに、複雑ななかに<美しさ>を求めてみてはどうか?」

「不満には良いものと悪いものとある。良い不満とはなにか?」

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また参加者のみなさんに混じって、対話に参加していたメディアテークの鷲田館長からも、「自分の言いたいことを頭で練ってコンパクトに語るという抑制が効いているのに、それでいて伝えたいことを深めながら話していくディープなやりとりをなさるみなさんの姿に心が震えました。この『考えるテーブル』を私たちの場所だと堂々と思って頂いて、これからも一緒にこの場所でさまざまなことを問い続けていきたいと思います」という言葉が寄せられました。

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最後に、みなさんのなかから導き出された「私たちにとっての良い不満」つまり、「現状に対する問題意識や心の乾き」を、どのように満たすことができるのか? これはどこにも答えが用意されておらず、自分たちで見つけ出していくしかないような深い問いだと思います。この問いを抱えながら、この場所で日々の活動を積み重ねていきたいと思います。

考えるテーブルは次年度もつづきます。震災から「三年」を区切りとせず、これからもそれぞれの現場で対話を重ねていきたいと感じました。また、ここで出会った縁をあたためながら、互いの活動を行き来できたらと思います。

このテーブルを囲んで、対話にご参加くださったみなさんありがとうございました。そしてこれからも引きつづきよろしくおねがいいたします。

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報告:清水チナツ(せんだいメディアテーク 企画・活動支援室)

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◎ カウンタートーク

カフェ終了後に行っていたスタッフによる延長戦トークです。以下より視聴できます。


http://recorder311.smt.jp/series/tetsugaku/





*この記事はウェブサイト「考えるテーブル」からの転載です(http://table.smt.jp/?p=7028#report


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