報告 2015年08月02日更新

第45回てつがくカフェ「〈未来〉とは何か?」レポート


【開催概要】
日時:2015 年 8 月 2 日(日)16:00-18:00
会場:せんだいメディアテーク 1f オープンスクエア
ファシリテーター:辻 明典(てつがくカフェ@せんだい)
(参考:https://www.smt.jp/projects/cafephilo/2015/08/45.html


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写真1

夏の強い日差しが照りつけるなか、「〈未来〉とは何か?」というテーマのもと、てつがくカフェを開催しました。

前半は、〈未来〉について自由に言葉を交わしながらも、他者の言葉に粘り強く耳を傾けながら、じっくりと考えていく時間です。

「東日本大震災と原発事故が起きた直後、果たして〈未来〉について考えることはできたのだろうか?」

冒頭では、こんな問いかけがありました。これを受けて、

「目の前の暮らしや雑務をこなすことに、ただただ精一杯で、〈未来〉について考える余裕などなかった」
「『〈未来〉とは何か?』というテーマが生まれたのは、震災から4年以上が経ったことと関係があるのではないか」

といった発言が続きます。

写真2

また、その後の対話のなかで、ファシリテーターをつとめた私は、

「〈未来〉と〈将来〉の違いは何でしょうか?」

と問いかけてみました。なぜならば、参加された方々との闊達な対話を体感するなかで、〈未来〉と〈将来〉の違いをじっくりと探っていくことが必要なのではないかと感じたからです。〈未来〉は意識的に考えないと、思い描くことはできない。また、「思い描く」ためには、エネルギーが必要になる。一方で、〈将来〉は予測・計画のできる範囲内で描くものではないだろうか...そのような言葉のやりとりがありました。

写真3

次は、キーワードをあげていく時間です。
「〈未来〉とは何か?」という問いに応えるためには、どうしても欠かせない言葉を、参加された方々と導き出していきました。以下が、そのキーワードです。

・不確実性
・予測不可能 計画不可能
・情緒的
・思い描く
・意志の力
・迷い
・社会性

時間の制約もあり、一つひとつのキーワードの意味を、十分に吟味していくことは、残念ながらできませんでした。しかし、いずれのキーワードも、紛れもなく、粘り強く続けられた対話を通して生まれた言葉です。

写真4

最後に、これらのキーワードを用いて、「〈未来〉とは何か?」という問いに応えてみました。今回は、1つの応えがつくりあげられました。

〈未来〉とは...
「不確実なものを思い描くことによって、社会的に共有できるようにすること」

これは、あの時間、あの場所に集った人たちでつくられた、どんな本にも載っていない、オリジナルの定義です。

次回のてつがくカフェでも、さまざまな角度から発せられる言葉を汲み取りながら、粘り強く対話ができればと思っています。

写真5

報告:辻 明典(てつがくカフェ@せんだい)




*この記事はウェブサイト「考えるテーブル」からの転載です(http://table.smt.jp/?p=12287#report


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