報告 2016年02月20日更新

第48回てつがくカフェ「トモダチって?」レポート


【開催概要】
日時:2016 年 2 月 20 日(土)15:00-17:30
会場:せんだいメディアテーク 1f オープンスクエア
ファシリテーター:辻 明典(てつがくカフェ@せんだい)
(参考:https://www.smt.jp/projects/cafephilo/2016/02/48.html


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写真1

今回は「トモダチって?」というテーマで対話を行いました。
はじめに、〈トモダチ〉とはどういうものか、自由に話していただきました。

まず、〈トモダチ〉とはどういう関係を言うのかという話題になりました。
「時間が経っても維持される関係」、「連絡を取らなくなっても変わらない関係」など、時間を越えた関係であるという意見が出され、また、「同じ立場、同じ気持ちを共有できる」人という、気持ちを分かり合える関係であるという考えも挙げられました。

一方、学生時代の先輩後輩、会社での上司部下など、異なった立場でも〈トモダチ〉になることがあるという意見も出されました。
そこから、〈トモダチ〉とは社会性が外れたところにあるのではないかという意見も出されました。

写真2

続いて、〈トモダチ〉と〈知り合い〉の違いは何なのかという話題になりました。〈トモダチ〉は「困っているときに頼れる人」、「この人のために何かをしたいと思える人」という、頼る・助ける気持ちの両面が提示されました。

また、東日本大震災で津波被害を受けた沿岸部から来られた方からは、自宅の全壊・半壊、仮設避難・自宅避難など異なる境遇に置かれたことで、〈トモダチ〉関係が変化し、離れていった人もいるという話がありました。そして「困っているときに話を聞いてくれるのが〈トモダチ〉」という意見が出されました。

写真3

さらに、〈トモダチ〉とは人だけではなく、くつろげる場所、本や音楽などに対しても言えるのではないかという意見も出されました。
以上のような対話をふまえ、〈トモダチ〉というテーマをより深く考えていくために、どのようなキーワードが挙げられるか考えていきました。

ここで挙げられたのは、次のような言葉です。

・関係性(くつろげる・信頼‐理解・楽しさ・助けたい・立場・確認・手続きがない)
・孤独
・善い悪い(評価)

さらに、これらのキーワードから、今回のテーマ「トモダチって?」への応答を考えました。そして、以下のような言葉が導き出されました。

〈トモダチ〉とは、

・あらゆるものと関係性を持つことによって世の中に善い行いのできる関係
・居場所、影響、コストが相互に与えあえる対等な関係性
・一方通行同士の関係を相互に作っていく
・固有の関係性から作られる原動力
・お互いにくつろげる空間・時間を過ごせる
・奪われることも与えることもいとわない関係

これらの応答を出していく中で、さらに気づいたこと、もう少し掘り下げて考えてみたいテーマなども出てきました。
ここで終了時刻となりましたが、参加者それぞれが〈トモダチ〉について、さらに深く考えていくきっかけとなる材料が出てきた回でした。

写真4

写真5

報告:三神真澄(てつがくカフェ@せんだい)





*この記事はウェブサイト「考えるテーブル」からの転載です(http://table.smt.jp/?p=12658#report


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