せんだいメディアテーク

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プロジェクトリスト | てつがくカフェ

2019年12月23日更新 報告 【レポート】第73回てつがくカフェ

【開催概要】
日時:2019年11月30日(土)13:30-16:00
会場:せんだいメディアテーク 7f スタジオa
ファシリテーター: 安田義人(てつがくカフェ@せんだい)
ファシリテーショングラフィック:三神真澄(てつがくカフェ@せんだい)

(告知ページ:https://www.smt.jp/projects/cafephilo/2019/09/73.html

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今回のてつがくカフェでは、前回に引き続き参加者から対話をしたいテーマを募りました。

ふせんに気になるテーマを書いてもらい、黒板に貼りだしてテーマを絞り込んでいきました。

(ふせんの写真はクリックで拡大します)

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いくつかの気になるテーマに触れた後、最終的に「誠実さとは?」というテーマで対話することとなりました。

はじめに「誠実さ」について自由に思ったことを話していきました。まず、学生時代の校則に「誠実」であることの記載があったという話が出されました。そこから、誠実とは強制されなければ守れないものなのか、あるいは生まれ持ったものなのかという疑問が出されました。また、「誠実」と「正直」の違いについて考えていきました。「誠実」は態度や振る舞いで何らかの実を結ぶ側面がある一方で、「正直」は素朴で時には小馬鹿にする時に使われる語(バカ正直など)でもあると出されました。がんの告知を例にあげて、ただ正直に告げるのと、思いやりをもって対処する誠実さは違うのではと話した方もいました。

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ここで、「何に対しての誠実か?」という疑問が投げかけられました。ある場において周りと自分の思いが異なっても、場に合わせることが「誠実」と捉えられることがあり、それは自分に対しては「不誠実」になり得るという話が出されました。さらに、周りに合わせる「誠実」さは、思いやりであり、真心である一方、時として建前や無害さでもあるとの指摘が出されました。逆に、自分に誠実であることは、本音ではあるものの、目立ったりわがままに映ることもあるとも出されました。

そのような対話の中で、謝罪会見の例が出されました。TV等で謝罪会見をする人を見て、誠実さを感じるときとそう感じられないときがあります。それは謝罪者が心を込めている/いないとは必ずしも一致しないのではないか。私たち視聴者(他者)は、外から見える状態(謝罪の仕方やルール等)で誠実さを判断しているのではないか、という意見が出されました。

ここで、人以外に対する誠実さという視点はどうかと提起されました。たとえば宗教において、神に対して誠実であるというのは、聖書を読んだり、何かしらの理想に向かっての実践だったりする。また、仕事に対して誠実というのは、例えば農業であれば、自然の摂理に基づいて、必要なものを加えたり取り除いたりする。このような真摯な態度を誠実と呼べるのではないかと出されました。

誠実を考えるときに、人に対しての誠実さと、人以外に対しての誠実さを分けて考える必要があることが見えてきました。

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ここまでの対話をふまえ、「誠実」をさらに深く考えていくためのキーワードを挙げていくことになりました。出されたのは以下です。

・対象

・無害

・(他者からの)評価

・(自分の)評価

・心のあり方を伴うある状態の評価

・尺度

・法則、ルール

キーワードを出しながら、さらに誠実さについて思考を深めていきました。

まず、「無害」については、周りに合わせるマイナス面だけでなく、共同体での秩序やルールを守る側面もあるとの指摘がありました。

また、「誠実」さは、人によって、場所によって、評価が変わるという意見が出されました。例えば、再生可能エネルギーの政策などについては、国際的に見ると誠実なのかも知れないが、負担がかかる地域から見たら有無を言わさずの決定で不誠実さを感じるという意見です。このように、私たちの誠実不誠実さは、はっきり白黒あるのではなく、自分の中のある尺度でもって、判断しているのではないかということが見えてきました。

ここまでの考察で、あらためて「誠実」とは何か定義することとなり、2つ出されました。

・誠実さとは、尺度のことである。

・誠実さとは、自分の頭で考えることを放棄しないで考え続けることである。

この定義を出したところで、時間終了となりました。

自分と周囲、場所や立場、利害関係など、誠実さを評価することの難しさと向き合う2時間半となりました。今回の対話をふまえて、さらにそれぞれで「誠実」さについて考えを深めていってもらえればと思います。

(黒板写真はクリックで拡大します)

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