2023
03 02
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仙台市民図書館開館
報告 2019年12月18日更新
【レポート】第72回てつがくカフェ
【開催概要】
日時:2019年11月3日(日・祝)13:30-16:00
会場:せんだいメディアテーク 7f スタジオa
ファシリテーター:八木まどか(てつがくカフェ@せんだい)
ファシリテーショングラフィック:三神真澄(てつがくカフェ@せんだい)
(告知ページ:https://www.smt.jp/projects/cafephilo/2019/06/71.html )
今回は、てつがくカフェで考えてみたいテーマを、お一人お一つ、付箋に書いていただくという形で募りました。東日本大震災から約9年の月日が経とうとしている現在、これまで以上に、震災についての語りにくさが生じ始めている状況において、より細やかに、言葉を掬い、拾い、これに対峙するためにも、参加者全員でじっくりと問うてみたいテーマを、共有するための試みです。
(クリックすると拡大してご覧いただけます)
そしてテーマは、「人間」となりました。非常に広い意味を含む言葉ですので、まずは「人間」について自由に語りはじめてみると、「人間」とゆるやかに繋がる様々な言葉が現れてきます。
次第に対話が進み、広く「人間関係」について考えていくなかで、「他者を受け入れる」ことが話題の中心となりはじめると、目の前の人を「人間扱いするとはどういうことなのか」が考えられはじめていきます。ここで現れてきたのが、今回のキーワードの一つとなった、「寛容」という言葉です。自分や他者が深く傷つけられてしまうことで、自分自身の心が寛容ではいられなくなってしまいはしないか。そうだとしても、自分を相手と同化させるのではなく、また、相手の全てを受け入れるのでもなく、違いを認めつつ、広い心で相手を受け入れることはできないのか。そしてそれは、どれほど難しいことなのか。
ここまでの話に耳を傾けながら、私自身は言えば、東日本震災とそれに伴う原発事故が起きた時期に、「寛容」が問われたことはなかったのかと、考えずにはいられませんでした。いまだ十分に言語化できなくとも、やはり震災を想起し、語り直そうとする力も、何らかの形で、この場では働いているのではないでしょうか。みなさんは、いかが思われるでしょうか。
そして今回も、テーマをより哲学的に吟味するために外せないと思われるキーワードを挙げていきます。
キーワード
そこに込められている意味を吟味していくなかで、どうも「人間」について考えていくためには、まずは「寛容」の意味をきちんと定義する必要があるのではという方向を得ました。
「寛容」の定義
*その後、自分のアイデンティティを通して区別
黒板の写真はクリックすると拡大してご覧いただけます。
てつがくカフェは、その場に集う人々と共に、協働で培っていく場ではないかと、改めて考えさせられました。ぜひまた次回も、お時間が許す限り、対話の時間を共有できればと思っております。