報告 2023年08月21日更新

【レポート】第86回てつがくカフェ ーシリーズ「結婚の定義」ー


【開催概要】

86回てつがくカフェ@せんだい

日時:2023年8月13日(日)14:00〜16:30

会場:7f スタジオa

ファシリテーター:安田義人(てつがくカフェ@せんだい)

ファシリテーショングラフィック:丹治圭蔵


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今回のテーマは「制度としての結婚?」でした。


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 今回のてつがくカフェでは、<制度としての結婚?>というテーマで対話を行いました。このテーマは、前回のてつがくカフェでキーワードとなった「制度としての結婚とプライベートにおける結婚」から立てられました。

 はじめに自由に「制度としての結婚」について思ったことや考えたことを挙げていきました。「制度」は国や社会によって異なること、さらに、法制度やイエ制度など、「制度」にもいろいろ範囲があるという意見が出されました。一方で、そういった「制度」からは外れた形態の結婚(キャラ婚やペット婚など)も社会的に存在するとの意見や、そのような結婚も含めすべての結婚が「制度」なのではないかという意見もありました。

また、結婚を考える際、親や仕事といったハードルやめんどうくささがあり、個人的な余裕と社会的な余裕の両方が必要であると指摘されました。その一方で、逆に余裕がないから結婚する人もいるのではないかとの声もありました(個人の場合は経済的事情、社会的には少子化対策など)。

結婚制度は家同士の結びつきから個人同士の結びつきに変化している一方、国や社会的な視点では子育てなどのための合理的な仕組みとして捉えられていたり、求められている面もあるという意見も出ました。

結婚制度には縛りや責任(育児や介護など)が伴う一方で、世間体を保ち、保証として機能するとの意見もありました。また結婚制度は他者に関係性を説明する手間やコストを省略する役割も果たすという意見もありました。また、結婚について考えるにあたって「幸せ」という要素は忘れてはいけないという声もありました。


 続いて、これらの議論を踏まえて参加者からテーマに関するキーワードを挙げてもらい、以下のようなものが提示されました。

・説明(表明)

・縛り

・合理的な仕組み

・家族

・個人

・保証

・安定

・ラベル

・世間体

・意味

・責任

・幸せ

・パートナー

・共存

・(制度の)使いやすさ

・時間

・生産性

・固定

・カテゴライズ

 

これらのキーワードから「枠組み」という言葉が導かれました。結婚制度は、繋がりの強さや安定性を表明するものである可能性が見えてきました。

 最後に、ここまでの対話を踏まえて「結婚制度とは何か?」という問いを考えてもらい、以下の定義や意見が出されました。

 

・幸せを確保する制度

2人(とは限らないが)が関係性をカテゴライズし、ラベル化して表明する制度(ラベルは制度によって剥がすことも可能)

・安定した関係性を表明するラベル

・関係性の強さを証明する枠組み(安定性は問わない)

・より深いつながりを永続的に保証する制度

・契約と枠組み

・廃止を検討してみては

 

これらの定義などを考えたところで時間終了となりました。
今回は結婚という制度がどのような役割や意味を持つのかを考える2時間半となりました。今回の対話を踏まえて、次回もまた引き続き「結婚の定義」について考えていきたいと思います。

 

 

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