2023
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仙台市民図書館開館
報告 2014年04月29日更新
第2回どこコレ? −−おしえてください昭和のセンダイ レポート
【開催概要】
日時:2014 年 4 月 29 日(火・祝)15:00-17:00
会場:せんだいメディアテーク 1f オープンスクエア
(参考: https://www.smt.jp/projects/doko/2014/04/--5.html)
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「どこコレ?」展示がスタートしたこの日、考えるテーブルを開催しました。仙台のどこかではあるけれど詳細がわからなかった古い写真を展示し、場所や当時の思い出などを伺いながら写真にまつわる情報を確定させアーカイブしていく「どこコレ?」。これまでにみなさんからお寄せいただいた情報をもとに、わかったことなどについて、参加者の方々と一緒に話し合いました。
いままで開催してきた「どこコレ?」から、確定に至るコツとして
①影を見て、おおよその方角の検討をつける。
②古地図と照合する
③先輩方の話をよく聞く ということが挙げられます。
はじめに、「どこコレ?」の内容紹介もかねて、前回の「どこコレ?」でとりあげた写真が確定に到るまでの経緯を紹介しました。
大きなターザンのモニュメント広告が目をひく一枚。背景には「大学いも」、映画『蟹工船』『女の一生』という看板が写り込んでいます。来場者の方からの情報により『蟹工船』は昭和28年公開作品だとわかりました。また、市政要覧に同じ写真が写りこんでいることから、昭和28年に撮影されたものだと判明。そこに写る街の風景から、現在の一番町、フォーラスの場所であることがわかり、確定となりました。
次に、こちらの写真。
場所については、左上に写る「クローバー」というレストランでの思い出を語ってくれる方が多く、早くに判明しました。現在の三越定禅寺通り館(元141)になります。
では、いつ頃の写真なのか。はじめは「青葉まつり」ではないかという意見があったのですが、子どもが金太郎の格好だったりと疑問点が多い。若い来場者の方から提供いただいた新聞記事によると、仙台城から一番町、仙台駅前、宮城県庁、榴岡、仙台城のコースで「雪印主催のこどもの日イベント」を撮影したものだということがわかりました。
このように、当時を知っている方の記憶に加え、若い方は資料を探し記録を見つける。そこで生まれる世代間交流の場になっていることが、市民の交流の成果だと思います。
3月に宮城野区文化センターで行われた「どこコレ? in 宮城野」から、清水沼と新田駅の2点を紹介した後、前回の「どこコレ?」で確定した写真をご覧いただきました。
来場者が「道幅から、なんとなく北六番丁のような気がするんだけど...」とアタリをつけた一枚。その付箋を見た方が、「では左奥が農学部ではないか」となり、四ツ谷用水が埋められた後の風景であると確定しました。それがわかると、来場者からは当時の思い出が次々と書き込まれ、また現在の様子を撮影して来てくれた方もいらっしゃいました。
最後に、今回の展示にご協力・ご出品いただいた「仙台・水の文化史研究会」から写真4点を、「仙台市博物館」から写真2点をご紹介し、そのうち1点を取り上げて、来場者の皆さんと撮影された場所がどこなのかを推理してみる「公開どこコレ?」を実施しました。
仙台市博物館から提供されたこちらの写真、これはフィルムではなく「乾板」(ガラスプレートに写真乳剤を塗り、乾燥させた感光材料)で残されたもので、「ヲダハラ」(小田原)という表記があります。山の形、線路の向かう先、線路の状況などから推理していき、東北本線、仙台軌道、トロッコではないか、など様々な意見が出されましたが、今回は確定には至らず次回も情報を求めることになりました。
「どこコレ?」は、せんだいメディアテークを会場に1年に1回のペースで今後も継続して開催していく予定です。またぜひ会場にお越しいただき、みなさんの懐かしい思い出を私たちにお聞かせください。
なお、当NPO(http://www.20thcas.or.jp)では引き続き古い写真や8ミリ映像を募集しています。
ご家庭にはお子さんなどを撮った家族写真が多く残っているのではないでしょうか。その背景に写る街の風景が、人びとの服装や髪型などの流行が、後日、貴重な記録になっていきます。ぜひみなさんのご協力をお願いします。
*この記事はウェブサイト「考えるテーブル」からの転載です(http://table.smt.jp/?p=8586#report)