報告 2019年07月14日更新

第8回 どこコレ?ーおしえてください昭和のセンダイ レポート


【開催概要】
日時:2019 年 4 月 29 日(月・祝)15:45-17:15
会場:せんだいメディアテーク1f オープンスクエア
(参考:https://www.smt.jp/projects/doko/2019/04/-.html


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収集した写真に写っている「コレ」は「どこ」なのかを来場者のみなさんにおたずねし、写真の情報を確定させていくプロジェクト「どこコレ?」の第8回目となる展示(語る場は7回目)が、2019年4月27日~6月30日の約2カ月間、開催されました。

これまでに361枚の写真を展示し、うち256枚が確定されました。今年開館40周年を迎える仙台市歴史民俗資料館からお借りした20枚を新たに追加し、イベントがスタートしました。

お客さまもこの1年を心待ちにしてくださっていた様子で、初日から新規5枚の写真に早くも確定が付きました。会期3日目となる4月29日15時45分からは、こちらも毎年恒例となった関連企画「考えるテーブル」を開催。会場には約80名の方にご来場いただきました。

図1.png

はじめに「どこコレ?5箇条」について会場のみなさんと共有しました。

どこコレ?5箇条
1.日影で方角を読むべし。
2.看板・幟から位置を特定すべし。
3.地図と合わせて街並みを見るべし。
4.勇気を出して付箋に書き込むべし。
5.先輩の話をじっくり聞くべし。

これは、「どこコレ?」を愉しむためのヒントとなっていて、確定に至るまでの重要なポイントとなります。

図2.png

今回は、第3回2014年の「どこコレ?」で初展示し、情報が多く寄せられているにもかかわらず不確定のままとなっている、仙台市博物館から提供された一枚について、付せん紙情報と現地調査活動について会場の皆さんと共有しました。

1.市博物館所蔵 昭和10年頃に撮影.jpg
仙台市博物館所蔵 昭和10年頃に撮影

2.「どこコレ?」に寄せられたたくさんの情報.jpg
来場者から寄せられたたくさんの情報

去年の「どこコレ?」のあと、この写真に興味のある市民が集まり「若林探検隊」を結成し、写真に小さく写る「土樋」周辺を捜索。「土樋」エリアに架かる14の橋すべてをピックアップし現地調査を行いました。

3.「土樋」の住所表示あり.jpg
写真には「土樋」の住所表示あり

4.「土樋」エリアに架かる橋すべてを現地調査.jpg
住所に「土樋」とつく場所に架かる橋を全てまわる

5.興味のある市民が集まった「若林探検隊」で周辺を捜索.jpg 5.興味のある市民が集まった「若林探検隊」で周辺を捜索2.jpg

しかし、14の橋全てを回ったものの、該当する場所はありませんでした。
周辺を歩き回り、影の向きや近所の方にもお話しを伺いながら、最終的に、ここではないか?という1か所に絞れたのですが、残念ながら、現地調査では確定に至る証拠を見つけることはできませんでした。
しかし後日、その近くに古くから住むという方をご紹介いただき、会ってお話を伺うことができました。

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その内容から、ほぼここで間違いないだろう、ということで、撮影してきたのがこちらです。

6.現在地.jpg
現在地

7.古地図でも確認.jpg
昭和3年の古地図でも場所を確認

住所は今も土樋ですが、堀と橋は暗渠になっているため、今はありません。昭和3年の地図を見ると、この赤丸で示したあたりとなります。

これらの経緯を会場で発表し、若林探検隊のおひとりにもお話しをいただきました。さらに「ブラタモリ」仙台編に出演した木村浩二さんにもその背景を説明いただきました。会場のみなさんからは承認・拍手をいただき、めでたく満場一致で「確定」となりました。

2019-04-30 07.25.54.jpg 図3.png

展示会場でもそうですが、毎年この「どこコレ?」を楽しみにしてくださる方からお声がけいただいたり、毎年来てくれる常連さんも増え、認知度が上がっていることを実感します。

今後も「どこコレ?」は、せんだいメディアテークを会場に1年に1回のペースで今後も継続して開催していく予定です。またぜひ会場にお越しいただき、みなさんの懐かしい思い出を私たちにお聞かせください。
去年、東京と熊本でも同時開催となりました「どこコレ?」ですが、今年はさらに、小樽、長野、高松でも開催していただきました。地域の皆さんの記憶と推理によって場所を特定し、忘れかけていた地域の宝ものを掘り起こす「どこコレ?」。これを機に、全国にますます「どこコレ?」の輪が広がることを期待しています。

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