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報告 2016年04月10日更新
【レポート】民話ゆうわ座 第三回「笠地蔵」
■ 日時:2015年12月27日(日)13:30−16:30
■ 会場:せんだいメディアテーク 1f オープンスクエア
■ 主催:せんだいメディアテーク、民話 声の図書室プロジェクト
(参考: https://www.smt.jp/projects/minwa/2015/12/3.html)
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「民話 ゆうわ座」は、先祖から語り継がれてきた民話の深い森を、みなさんと歩いてみようとする集いであり、今回は「笠地蔵」を参加者とともに考えた。
「笠地蔵」を取り上げた経緯にふれ、教科書や絵本でよく知られた岩崎京子再話「かさこじぞう」を聞き、話のあらすじをたしかめた。
「笠地蔵」のあらすじをふまえて、いままで抱いてきた印象や感想を自由に述べ合った。大人になってもの悲しさを感じたとか、お地蔵さんはだれの身代わりか、など意見が出た。
民話は声をなかだちとして受け継がれてきたが、出会った話をわが身をくぐらせてわが身の言葉で再び話すことを「再話」とし、「笠地蔵」の別の再話として、瀬田貞二「かさじぞう」を聞き、二つの再話を比べてみた。
宮城の伝承の語り手、永浦誠喜翁との出会いと、その人となり、20年を隔てて前後二回にわたり273話の話すべてを聞き取ったことを話し、翁の「笠の観音さま」の映像を見た。
採訪の体験から、日本民話に登場する「子の無い老夫婦」のムラの中での意味、そうした爺婆にこそ福がもたらされること、地蔵に寄せる思い、生死がせめぎあう大歳、となりの爺婆の意味などについて、類話を紹介しながら一つの理解が示された。
「笠地蔵」について、伝承の語りや話題提供を手がかりに、さまざまな感想意見が交換された。地蔵は死者たちや子どもたちの分身であること、今までの体験と響きあうことなど、活発に意見が述べられた。
報告:小田嶋利江(みやぎ民話の会「民話 声の図書室」プロジェクトチーム)
撮影:長崎由幹
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第三回民話ゆうわ座ロングレポート(PDFファイル/448KB)
当日配付資料(PDFファイル/234KB)