報告 2014年08月09日更新

第4回ヤングファーマー農宴「農業って何だろう?~親子で考える食・職・植」レポート


【開催概要】
日時:2014 年 8 月 9 日(土)13:30-15:30
会場:せんだいメディアテーク 7f スタジオa
(参考: https://www.smt.jp/projects/nouen/2014/08/4-2.html


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今回はゲストヤングファーマーに蔵王町の関口英樹さん、登米市の佐藤瑛彦さんを迎え、『農業って何だろう?~親子で考える食・職・植』をテーマに、農業という産業、家庭での栽培と食などについて、意見を交換しながら考えていきました。しかし、趣旨を「食育」として参加対象を絞ったこともあり、参加人数や年代の幅を狭めてしまい、イベント運営の難しさも感じました。

進行は、テーマに掲げた3つのトピック「食・職・植」に沿って行いました。  まず「職」では、佐藤さんに産業という観点から地域循環型農業についてお話をうかがいました。佐藤さんが行っている肉牛の飼育には、飼料の稲わらがかかせません。しかし、ご自身で持っている田んぼから収集する分だけでは足りないので、地域の農家の方から稲わらを供給してもらっているそうです。その代わりに、牛の排泄物から堆肥を作り、それを農家の方に供給して米作りに活かしてもらう、そういった耕畜連携の農業スタイルを実践しています。地域のものを活かし合いながら、それぞれの生産性や質を高めていく取り組みを行っているということをお話しいただきました。

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続いての「植」では、参加者の皆さまから野菜などの栽培について質問をいただき、いろいろな種類の野菜を生産している関口さんにお答えいただきました。中にはグリーンカーテンをしていたり、ミニトマトやナス、オクラを作っていたりと家庭菜園を楽しんでいる方もいらっしゃり、関口さんから土作りや種選び、育て方のアドバイスもいただきながら、一人ひとりの栽培環境や楽しみ方などについてじっくりとお話をうかがうことができました。

また、参加者の方から「関口さんは農業をとても楽しんでいる」という声が挙がり、「家庭菜園などをすると、作っているものを消費しながら、それが育つ様子も見ることができる。わくわくするような、不思議な感じ。そういう不思議さを、自分ひとりだけじゃなく、お子さんやお孫さんと一緒に楽しんでもらえればいいなあと思います」と関口さんが答える場面もありました。

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そして「食」です。はじめに、関口さんから子どもも大人も大好きなカレーの材料であるジャガイモ、にんじん、玉ねぎの旬の時期についてクイズが出されると、皆さんから挙がった答えはさまざまでした。というのも、現在は、全国各地で土地々々の特性に合った品種を育て、時期をずらして収穫するリレー出荷により、季節を問わずいろんな野菜が食べられるようになっています。もともと旬の時期の異なる野菜がひとつの皿にのったカレーは、まさに「キセキのご飯」。関口さんからは、農家の方々の努力や工夫によって、豊かな食が支えられているということをお話しいただきました。

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(クイズの最多正解者の方には野菜と米のプレゼントが送られました)

最後に、ゲストヤングファーマーのおふたりにとっての「農業って何だろう?」という質問が挙がりました。佐藤さんは、地域の担い手となる若手が少ない地元の景観や田んぼを維持し、地域循環型農業をしていきたいと語りました。また、関口さんは、子供のころから本当にやりたかった農業を職業にすることができ、今では毎日、草刈りの時でも笑顔で仕事をしているというエピソードを交えながら、農業は『憧れ』だと語ってくださいました。運営面では課題が残る回となりましたが、とてもいい内容のイベントになったと思います。ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。

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報告:大槻 雄一郎(宮城県農村青少年クラブ連絡協議会)





*この記事はウェブサイト「考えるテーブル」からの転載です(http://table.smt.jp/?p=10102#report


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