報告 2019年12月12日更新

スローウォーク・実施記録(5) 2019年11月23日(土)クリスロード商店街 霜月早朝編


1123() 5:30

クリスロード商店街入り口のファミリーマートにて今回のメンバーが集合。

スローウォーク霜月早朝編です。

今回のスローウォークは、前日の夜からすでに始まっていたのかもしれません。

飲み会があった人はうっかり寝ないように頑張ったものの、前日の酒も抜けきらずほぼ徹夜明けの状態。普通に過ごした人ですら、次の日本当に起きられるのか?という謎のプレッシャーに苛まれて、結局よく眠れないまま集合時間を迎えるという、いつになく気合いの入ったスタートになったのでした。

20191123-slowwalk-repo1.jpg

クリスロード商店街のアーケードを仙台駅方面から電力ビル側へ進み、約1時間後に出口付近のファミリーマートで集合することを打ち合わせて、各々が散り散りにスタート。

早朝とはいえ11月、もはや真夜中といえる暗さと寒さ。なんとなく心細くなりつつゆっくりと歩く。

普段見慣れた、スローウォークでも何度か歩いているこの道も、このときはすっかり違った空気をまとっていました。

ほんの数時間前まで通りを賑わわせていた人並みも途絶え、シャッターを下ろした店ばかりが立ち並ぶ閑散とした中で、所々煌々とつきっ放しの看板や大音量の音楽がアンバランスさを生んでいたように思えます。

一方で、アーケードの脇道では、これから開店を迎えるためにきびきびと仕入れの作業をするトラックやカートが次々と出入りし、着々と朝が近づいて来るのを感じさせました。

暗闇の中、冷たい空気と遠くから響いてくる人の声や足音のなかを漂うように歩いていると、自然と自分の内側へと意識が向いてスローウォークはしやすかったと思います。

一晩中飲んでいた人達が大声で話しながら、ぽつりぽつりと流れていく空間は、無法地帯になってしまったかのような不安を感じさせはしたものの、夜を終えていく人の余韻と朝を始めた人のエネルギーが同時に混在し、特に明確な目的もなくそこにいることを容認されているような、どうしようもないものさえ内包してしまうような、そんな刹那的な時間を過ごしていました。

1時間後、スローウォークを終えて集合したときにはすっかり夜は明け、明るくなった通りには、新しい1日のはじまりを感じさせる活気が満ちていました。

20191123-slowwalk-repo2.jpg

今回のスローウォークを共有すべく、そして冷えた体に暖かい朝御飯を!と開店時間まで待って駅ナカのスターバックスへ。(休日の早朝はどこも開いてないところが難点・・・)

一息ついたところで、報告書を記入しつつ感想を話し合いました。

多かったのは、光と音、人の存在が普段より強調されてくっきりと感じられたこと。

普段の人通りに比べたらかなり少ない分、すれ違う人との互いの存在が大きく強く感じられたということがあげられました。音や気配で周囲の様子を感じ取れるので、目を閉じて歩いてみたりもしたそうです。音と光については、ほぼ徹夜明けの状態だったことも影響して、刺激として強く感じられた部分もあったようですが、体の状態が違う人とでは受け取りかたに違いがあって、今度試してみたいなと思いました。

また、人が少ないことによって、普段は見ることのなかったことへの気づきもありました。

通りの形やアーケードのどこまでも続く屋根の長さ、シャッターの種類、アーケードの切れ目の音や温度の変化・・・。いつもは人波という風景に遮られて見えなかったものを改めて認識するということが起きていたようです。

どれも通常では出歩くことのない早朝の時間ならではの感想でした。過去にも同じ道で季節や時間を変えて歩いていたことも、比較材料として良かったなと思います。

---------

また次回、今回と同じように空間が移り変わっていく異なる時間帯で試してみたいね、という事でスローウォーク霜月早朝編は終了しました。

今年はこれで最後のスローウォークになります。

これまでのスローウォークで、いろんな条件で歩いてみた記憶をたどると、どんなことを発見したり再認識したりするのか、ただゆっくり歩くことを通して、自分の内側の楽しみかたを探しているところもあるのかもしれません。外側からの刺激は魅力的で、世の中には楽しいことはたくさんあるけれど、自分の中の面白いと感じるフックを増やすことができたら、限りある1日がいつもより少し鮮やかなものになるかも、と振り返ってみてそう思ったりしました。

特別な考えや、前向きな何かがなかったとしても、ただいつもよりゆっくり歩いてみる、いつもより自分のために時間を使う、考えることもお休みしてみる、そういうのでいいと思います。ルールは「ただゆっくり歩く」だけなので。

また来年、この物好きな集まりで少しだけ毎日が楽しくなりますように!

文 菅野光子

記録 千葉里佳


x facebook Youtube