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報告 2026年01月29日更新
【レポート】第45回公開ミーティングを行いました
今回のユースてつがくカフェは、参加者の「がんばっているときに、まわりから『がんばれ』って言われるのが好きじゃない」という発言から、「応援」をテーマに話しました。
その参加者は、例えば甲子園の応援は、応援団の声や吹奏楽の音が大きく、応援されるとかえってプレッシャーになるのではないかと考えました。一方で、そのプレッシャーは、味方ではなく相手チームへ向けられたものにも思われます。そのことから、向かい合って激励する応援と、追い風のように背中を押してくれる応援があるのではないか、と考えました。
プレッシャーを感じない応援の例として、受験のときにもらう 、キットカット、太宰府天満宮の学業鉛筆やミサンガがあげられました。「身近な人からもらう『お守り 』は、神様やご利益を信じていなくても、応援されていると感じることで、自分の気持ちと行動が変わるので効果はある」という発言が印象的でした。
続けて、応援ソングについても考えてみました。お守り との違いは、応援してくれている主体であるミュージシャンが、身近な人ではないことです。「知らない人の言葉なのに自分に寄り添ってくれるように感じるのは、歌詞に共感するから」だそうです。
ある参加者は、M!LKの「イイじゃん」という曲が、応援ソングとして歌番組で紹介されていたことに驚いたそうです。応援ソングといえば、ひと昔前は「ガンバレ」と背中を押すもののイメージがありましたが、最近は「そのままの自分で良いよ」と寄り添ってくれるものが多いと感じたそうです。その背景として、今の若者はSNSで常に人と比べられる環境にあり、自分に自信が持ちにくいことがあるのではないか、という意見がありました。
自信を持つには成功体験が必要そうですが、一方で「根拠のない自信」というものも存在します。それは、努力をしていないときに現れる自信で、本当の自信ではないのではないか。むしろ、自分を信じないとやっていけない、そんなときに発動するものなのではないか、という意見がありました。「信」という漢字には、「信せる(まかせる)」という読みもあるらしく、「信じる」と「任せる」が、意味としても似ているという発言もありました。
漢字に注目すると、「応援」という言葉には、「応える」という言葉が含まれていて、応援する側が応援される側から何かを受け取って(応えて)援助するというふうに読むこともできるし、応援される側が応援に応えるという読み方もできる、という話がありました。
SNSについても深堀りしてみました。SNSを見ていると、あっという間に時間が過ぎてしまいます。それは「楽しいからというよりも、私たちが情報が大好きで、かつ、目と耳しか使わないので疲れないから延々と時間を消費できてしまう」ことが原因だと考えました。また、Xとインスタグラムを比較しながら、どのような人がどのような使い方をしているのかにも思いを馳せてみました。
「フレー、フレー」「ソレー」といった、応援につきものの「掛け声」についても意見を交わしました。「応援歌からメロディーを外したものが掛け声なのでは」「盛り上がればどんな掛け声でも良いのではないか」「言葉自体に意味はないけれど、規律やリズムがあり一体感が出るのでは」「むしろ一体感を出すのに、言葉の意味は邪魔なのではないか」など、さまざまな考えが出されました。
「応援」については、「1対1/1対多」「本人に届いている/届いていない」「直接/間接」「前/後(向かい合っての応援か/背後からの応援か)」といった様々な軸があることが分かりました。そのうえで、今回の対話では、ベストな応援の仕方として「お菓子をあげる」ことがあげられました。言葉を使った応援は、言葉が意味を持っていることから、応援に、応援する側のエゴがのってしまいます。一方で、単なる物体であるお菓子からは、受け取る側が「言葉にはしないけれど、私のことを応援してくれているんだ」という風に自由に意味を読み取ることができるためです。
好きな音楽の話題や、将棋の戦いにおける静かな応援の様子についての雑談をはさみ、今回も充実した対話の時間になりました。
「ユースてつがくカフェ」は毎月開催しています。気になったら、ふらっと遊びに来てみてくださいね。