報告 2018年08月15日更新

とぷらすウィークに特別企画で参加しました


2018年夏、シネバトルが特別企画で「とぷらすウィーク」に参加しました。

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仙台市民図書館とせんだいメディアテークが共催する「とぷらすウィーク」とは?館内にたくさんある資料を借りて見る(読む)だけではない、さまざまな角度からふれられるイベントです。七夕の頃に開催されるこの「とぷらすウィーク」に、シネバトルからはふたつのイベントで参加しました。今回はせんだいメディアテークのオープンスクエアで開催したこのふたつのイベントをレポートします。

これらの企画、実は田村圭子さん(2015年度グランドチャンピオン)、木村剛さん(2016年度グランドチャンピオン)、角掛修さん(Vol.13銀賞、Vol.21金賞他出場多数)の3人が企画制作に大活躍してくださっているのです。いわばシネバトルブレインズ。2017年度からトークサロンのテーマ設定やシネバトルの運営そのものに関わってくださっており、今回の特別企画ももちろん同様です。

●シネバトルショーケース

ショーケース、すなわち見本版です。毎偶数月水曜日に開催しているシネバトル、参加したくても「平日じゃ無理!」という方もいらっしゃるのでは??水曜日に設定している理由はもちろんあるのですが、しかし平日だから...という理由でシネバトルを体験できない方がいらっしゃるとしたら、それは実にもったいない機会損失ではありませんか!ということで、週末の土曜日、人目にふれやすいせんだいメディアテークの1階 オープンスクエアで見本版を開催することになったのです。

シネバトルショーケース
[日時]
2018年7月28日(土) 18:00-19:00
[会場]
せんだいメディアテーク 1階オープンスクエア
[出演]
田村圭子(2015年度グランドチャンピオン)
木村剛(2016年度グランドチャンピオン)
角掛修(Vol.13銀賞、Vol.21金賞他出場多数)
ほか2名

今回はメディアテークのスタッフもプレゼンターで参加しました。普段は施設利用相談窓口でやさしい笑顔を振りまくHさん。そして企画・活動支援室でミュージアム連携事業を担当するCさんです。「見本版だから気楽にやってよ」と担当者がヘッドハンティングしたのですが、出場が決まるとふたりは「シネバトル全作品リスト」やこのプロジェクトブログを丹念にチェック。歴代のグランドチャンピオン相手に「マジ」です。すばらしい。

週末の目立つ場所に会場を移した甲斐があり、初めて参加されるオーディエンスの方もちらほら。大会場で水を得たようにプレゼンするブレインズはもちろん、選抜スタッフ2名のプレゼン内容も素晴らしいものでした。ちなみに今回紹介された作品は...。

角掛修さん

「アナと雪の女王」(監督:ジェニファー・リー、 クリス・バック/2014年/102分)

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木村剛さん

「レスラー」(監督:ダーレン・アロノフスキー/2009年/115分)

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Hさん

「茄子 アンダルシアの夏」(監督:高坂希太郎/2003年/47分)

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Cさん

「貞子vs伽倻子」(監督:白石晃士/2016年/99分)

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田村圭子さん

「ロープ 戦場の生命線」(監督:フェルナンド・レオン・デ・アラノア/2018年/106分)

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3F6A8772-33.jpg投票中...

3F6A8797-37.jpg金賞は田村さんに

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プレゼンする作品、その選択や語り口も含めて、今回も5人5様の濃いプレゼンを聴くことができました。このショーケース版に触発されてプレゼンターがもっと増えると良いのですが...。8月29日のシネバトルVol.22、プレゼンターをまだまだ絶賛募集中ですよ!


●シネバトル映像音響ライブラリー特選上映会

せんだいメディアテーク 2F映像音響ライブラリーには、館内でなら上映できる作品が多数収蔵されています(これを図書館内上映権付きソフトと言います。所蔵館内で開催される無料の主催事業が対象です)。そこでとぷらすウィーク期間中の特別企画として、シネバトルブレインズの3人にそれぞれの視点でオススメの作品を選んでもらいました。上映後には作品選別人の解説付き。オープンスクエアに特設した250インチ大スクリーンで、3日間に渡る迫力の上映会となりました。

7月30日[月] 19:00- 木村剛特選!
『新・映像の世紀 第3集 第二次世界大戦 時代は独裁者を求めた』
(制作:NHK/2015年/75分)

これまでのプレゼン経歴を考えると、木村さんがNHKスペシャル=テレビ番組を特選作品として推されるのは意外な感じがします。第二次世界大戦前、アドルフ・ヒトラー台頭のドキュメントである本作、当然シリアスで重苦しい内容ではありました。しかし描かれる国際情勢は、昨今のそれに驚くほど似ていると木村さんは言います。今こそこの作品を観て身の回りに起こっていることに関心を持ち、自ら考えることが大事ではないか?と訴えました。

7月31日[火] 19:00− 田村圭子特選!
『森は生きている』
(監督:イワン・イワノフ=ワノ/1956年/49分)
『雪の女王』
(監督:レフ・アタマーノフ/1957年/63分)

旧ソビエト連邦の国営アニメスタジオ作品を2本立てで上映。田村さんの解説によると、当時のソビエト製アニメはアメリカに買われていく作品も多く、アメリカで編集やアフレコなどの改変を受けたものも多々あるとのこと。実際田村さんが記憶しているいくつかの場面が、本パッケージではカットされているようです。吹替版ですし(吹き替えそのものは素晴らしかったです。念のため)。とは言え60年前の作品とは思えないほど生き生きしたキャラクターの動きに、上映途中に何となく見始めて、結局腰を据えてご覧になっているお客様もちらほら。ちなみにシネバトル常連Oさんからの情報によれば、宮城県図書館にはこれら作品のオリジナル長、オリジナル音声の16mmフィルムが所蔵されているとか。興味のある方はそちらもご覧になってみてはいかが?


8月1日[水] 19:00- 角掛修特選!
『道』
(監督:フェデリコ・フェリーニ/1954年/98分)

名作中の名作が角掛さんの紹介で登場。とにかく角掛さんがこの作品にかける情熱と愛情は半端ありません。上映前の前口上もできるだけコンパクトに!余計な前情報無しにすぐに上映を始めたい!との仰せ。かくして切なく美しいこの作品がスクリーンにかかると、やはり上映途中からも惹きつけられてくるお客様が。実際有名な作品ではありますが、大スクリーンで見られることは珍しいことかもしれません。切ないラストシーンが終わり、解説のためにステージに上がった角掛さん、いつもの明るい口調でお話しされるのかと思いきや、男泣きに泣いて言葉を発することができず...。なんでも高校生の時に観て以来40数年ぶりにご覧になったそう。「今観ても素晴らしい、神様が作ったとしか思えない...!」と絶句。もちろん会場もうるっと...。

改めてシネバトルはこういう「人の想い」に触れられる場所なのだと、担当者A.H.、思いを新たにしました。三人三様の作品選びですが、その作品への思い・その熱量はみなさん等しく熱くたぎっておられるのでした。

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かくして怒濤のシネバトル週間(7月25日にはトークサロンがあったばかりでしたので)が幕を閉じました。いつもと違うお客様と出会う事ができて担当者もブレインズもたいへん嬉しい1週間でした。このイキオイで8月29日(水)のシネバトルVol.22になだれ込みますよ!みなさんのご参加お待ちしております。

(A.H.)


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