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報告 2020年05月28日更新
【レポート】トーク「留学生/外国人居住者を交えたトーク」
2020年1月11日(土)〜3月14日(土)の期間、せんだいメディアテーク7階ラウンジで開催した展覧会「KADAN Bridge / いろとりどりの掛け違い」関連イベントの一つとして、トーク「留学生/外国人居住者を交えたトーク」を開催しました。
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トーク「留学生/外国人居住者を交えたトーク」
日時・2020年2月15日(日) 17:00~18:30
ゲスト・グエン・ティエン・タムさん (花壇在住 ベトナム人留学生)
会場:せんだいメディアテーク7階ラウンジ
参加人数・27人
青葉区花壇地区では、近年留学生をはじめとした外国人住民が増加しています。
本展覧会では、新たに住み始めた外国人住民と長年暮らす日本人住民との間の生活上のトラブルや、文化や言葉の違いを乗り越える取組みも紹介しました。
(参考:【展示記録】展覧会 KADAN Bridge / いろとりどりの掛け違い)
https://www.smt.jp/projects/ttt/2020/05/-kadan-bridge-report.html
今回のゲストとしてお招きしたのは、花壇団地に暮らすベトナム出身のタムさん。展示の一つ、部屋のスケッチにも協力してくれました。自動車整備学校で整備士になるための勉強をしています。
タムさんは日本に来て約3年。ベトナムで大学を卒業後、携帯電話のセールスや実家の農業を手伝ったりしましたが、自動車整備を学ぼうと仙台への留学を決めました。まずは仙台市内の日本語学校で1年半ほど日本語を学び、花壇にある自動車整備の専門学校に入学。整備士を目指して勉強をしています。
タムさんの母国、ベトナムからは、多くの若者が仙台に来ています。
仙台市には現在、約2,000人のベトナム人が暮らしており、その多くは留学生です。
(参考: 仙台市の外国人住民数 平成31年4月30日現在 仙台市交流企画課)。
https://www.city.sendai.jp/koryu/shise/gaiyo/profile/koryu/h31/gaikokujinjumintokei.html
皆さんも、コンビニや居酒屋などでアルバイトをしている海外の若者たちに出会う機会が増えているのではないでしょうか?
タムさんの日常は、学校とアルバイトで大半が過ぎていきます。
学校では毎日、整備士免許をとるための座学や実技を学びます。日本語で国家試験である整備士免許を取るのは大変ですが、ベトナムの他にもネパールやスリランカなど多くの留学生が学んでいるそうです。4時過ぎに学校が終わったら、整備工場でアルバイト。週5日、花壇のアパートから宮城野区福田町まで自転車で通い、遅番だと夜の11時まで勤務することもあります。
日本経済がどこも人手不足となる中、留学生たちは貴重なマンパワーになっています。コンビニの深夜営業、そこに弁当やパンを供給する総菜工場の夜シフト、宅配便倉庫のバックヤード・・・日本の若者が減った現場で多くのベトナム、ネパールの留学生たちが働いています。彼らは毎日のアルバイトで学費と生活費を稼ぎ、卒業後もその多くが日本で就労を続けます。自動車整備士も全国的に不足していて、タムさんの留学生の先輩たちも日本各地で働いているそうです。
そんな忙しい毎日ですが、休日には留学生の仲間やベトナム人コミュニティで集まりイベントを開くことも。
榴岡公園で花見をしたり、地域のお祭りに参加したり、広瀬川の河原でバーベキューを楽しむこともあるそうです。
トーク終了後は、ベトナムの流行歌を、持ち前の美声で披露してくれたタムさん。
学校卒業後は、まずは日本で就職し、ゆくゆくはベトナムに戻って日系企業で働きたいという夢も話してくれました。
今回のトークの記録は、せんだいメディアテーク2階の映像音響ライブラリーに、館内視聴DVDとして配架されています。
ぜひご覧ください。
文:地域探検隊-TTT-