2023
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報告 2024年06月30日更新
【レポート】第28回公開ミーティングを行いました
6月30日、28回目の公開ミーティングを行い、6名の方が参加しました。
今回のレポートは参加者の3名が書いてくれました。
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参加者Aさんのレポート
今回は"才能"のテーマから話が広がりました。"才能"とは何か、考えた時に「天の賜物というようにgiftといえるのではないか」「やっていて楽しいと思える」「○○するのをやめられない」「才能とは袋、どれだけ詰め込めるか」「その袋の容量も人それぞれ、そう考えると残酷な言葉」「才能は自覚するものではなく、第三者が認識するもの」「頑張れないとき、才能がないと言い訳して逃げたくなる」「こころよいか心地が悪いかという単純なことを、カッコつけて才能と呼ぶのではないか」などの沢山の意見から、才能は多様な意味を含んだ言葉であると気づくことができました。また、才能と運の関係を考えていくうちに、"運"とは何か?という疑問が生まれました。例えばゴミ拾いをしたら運気が上がるというのは本当なのか?どんなロジックなのか?ということを意見交換しながら考えました。
"らしさ"のテーマでは、連続ドラマ小説「虎に翼」の「男らしさとは思っていたものはそもそも、男と無縁のものなのかもしれない」という台詞が紹介されました。カテゴライズされないことは自由に繋がるけれど、自由になると名前が欲しくなる、○○らしいというのは認識が楽で自由は不安を伴う、という意見が出ました。
「興味が無いねと言われたけど、興味って何ですか?」という一言から、"興味"とは何かを皆で考えました。「興味とは知りたいこと」「アンテナを張ること」という話から、「興味とは自然に湧き出るナチュラルなものに限るのか?」という疑問が浮かびました。「無理矢理持つこともできるが、ナチュラルな興味ほど純度が高く、人に強制された興味は純度が低くなるのではないか」という意見が出ました。「Why・なぜ?」にたどり着くのは難しいから、他のWとH、「どこで、だれが、いつ、どのように」の問いをまず先に立てて道を作る、という話から、そのように道を作れば最初は無かった興味も、純度の高いものになるかもしれない!とヒントを得ることができました。
次回は「無駄の価値、運、選択肢」がテーマの候補です。ぜひ皆さん参加してみてくださいね。
参加者Bさんのレポート
今回のユースてつがくカフェでは、"才能"ということばがテーマの一つになりました。
「自分らしさとは一体なんだろうか」という疑問を始まりとし、他者との違いに着目する中で"才能"が話題になりました。
「才能がない」「才能の無駄遣い」「才能を伸ばす」「才能にあふれる」など、"才能"は、日常生活でよく聞くことばです。
しかしながら、"才能"が、どのような意味を持っているのかについて、深く考えたことはありませんでした。
みなさんは"才能"ついて、どのような考えをお持ちでしょうか。
話し合いの序盤においては、
「もともとその人が持っているもので、授かるもののようなイメージがある」
「逃げ道として使われているように感じています」
「相対的なことばで、人と自分の違いを表現しているのかな」
「結果で語られることばだと思う」
「才能があるかないかって、〇〇%って程度がない気がする」
など、ことば自体に関するイメージを話し合いました。
各々が持つことばの感覚について共有することで、徐々に内容が深まっていきました。
「才能ってことばは、実は"嫉妬"や"頑張れていない"といった気持ちを表現することばで、色んな意味があるんじゃないかな。例えば"やばい"ってことばと同じように」
「"努力"とはなにか違うのかな」
「トマトの苗で考えてみると、努力は実がなるように水をやる感じだと思う。才能だけでも苗は育つかもしれないけど、努力した方がよりすごいものになる」
「人の気持ちは基本的に心地いいか不快かだと思うから、心地よさを感じて続けた努力が才能と呼ばれるんじゃないかな」
「たしかに、その人がやってて自然に続いていくものが才能なのかも」
"才能"と"その人らしさ"の関連性を発見することができ、一見関係ないようにも感じられる"才能"と"その人らしさ"の2つのことばに繋がりが生まれました。
自分の中で漠然としていた"才能"のイメージに、参加者のことばで彩りが生まれ、ことばの世界が豊かになりました。
私は他人と自分を見比べて、「自分には才能がないんだ」と悩むことがたびたびありました。
でも、今回の話し合いを経て「自分が楽しいと思えることはなんだろうか」「自然に続けられるものはなんだろうか」
と、自分の気持ちについて考えるようになりました。
自分に足りないものばかりに目がいき、苦しんでいた気持ちが少し楽になりました。
考えを変えるきっかけをくれた参加者の方々のおかげです。
みなさんも、ユースてつがくカフェで、ことばの世界を彩ってみませんか?
きっと、誰かのことばが絵の具になって、自分のこころに色を塗ってくれるはずです。
ぜひ、気軽に立ち寄ってみて下さい。
参加者Cさんのレポート
今回初めて参加しました。
てつがくカフェ内の互いを肯定し合う意識のもとでの対話、ときには普段言うのを憚られるような本音もぽつりと漏れてくるような時間というのは、絶えず評価される場としての学校や職場で消耗し続けてきた精神にとって、温かく、また人間そのものとして認めてもらえたような心持ちがいたしました。
対話の中で、大学ではなかなか本音を言えないだとか、話すときどうしても萎縮してしまうというようなお話が出て、「学校でもこのように対話が出来る場があるといいね」と参加者同士言い合いました。しかし、改めて考えると、学生という肩書きを背負って通う学校やそれぞれに立場のある職場という場から完全に独立してこの「てつがくカフェ」が有り、そこに純たる「ひとりの人間」として各々が存在しているというその点に、何か大切なものがあるような気がしてなりません。