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報告 2025年08月29日更新
【レポート】第40回公開ミーティングを行いました
今回のユースてつがくカフェは、ある参加者が口にした「ガクチカ」から対話が始まりました。
ガクチカとは、就職活動でよく尋ねられる「学生時代に力を入れたこと」の略語です。
その参加者は、大学1年生にして「自分がやりたいことで、かつ企業ウケのいい活動」を探していると言います。一方で、別の参加者は「みんながみんな特別なことをしなければいけないのか」「自分は好きなことをしているだけなのに、ガクチカを意識しているように見えてしまうのがもどかしい」と率直な思いを口にしました。
ガクチカを気にする背景には、AIの普及があります。仕事がAIに代替されていくなかで、「機械にはできないこと」を示す必要性を若者たちは感じているようです。
この流れから、話題は自然に「ChatGPTが苦手なこと」へ移りました。猫の画像生成は得意なのに蛇口の絵はうまく描けない、歌詞や小説の解釈を尋ねると見当違いの答えが返ってくる、といった体験談が語られました。
ある人は「ChatGPTは痒い所に手が届かない」と言い、「人間はサングラス越しに見た太陽の話をしているのに、ChatGPTは太陽そのものの説明をしてしまう」と話す人もいました。
ChatGPTの回答を「潜在的に自分が求めているもの」と割り切って受け入れる人もいれば、「私が気に入りそうな回答をしてる?」と、ときどき意地悪な質問をしてしまう人もいるようです。
なぜ友人ではなくChatGPTに話してしまうのか、その背景として「他人に共感を求めるハードルが高くなっていること」が挙げられました。
多様性という言葉で全方位への配慮が求められる時代に、気軽に本音を言いにくくなっているのかもしれません。人間相手の面倒くささがなく、しかも前向きな方向に自分を導いてくれる存在として、ChatGPTを「画面越しのドラえもん」と表現する人もいました。
参加者の二人が大学生だったこともあり、後半は大学生活の話題になりました。授業やキャンパスの楽し気な様子が語られる一方で、専攻や実習先の決め方が突然変わったことに対する不満や、それに対してどんな行動を起こしたかが語られました。
また、「死を想え」「サウンド・オブ・ミュージック」といった不思議な名前の講義から、変な授業や変な先生の話題になりました。
大学の先生は専門を突き詰めているために学生への寄り添いが弱く、高校の先生は突き詰めた結果、人に教えたくなった人なのではないか、といった比較も話されました。ある先生はいつも出席簿の上から当てるため、毎回自分が当たりそうになってやきもきしたといったエピソードも印象的でした。
最後に、「夏はいつ終わるのか」について話しました。
ある人は24時間テレビの放送で、別の人は畑できゅうりがとれなくなるときや、飲食店のメニューから冷やし中華が消えるときに、夏の終わりを感じるそうです。蝉やコオロギといった虫の声から季節の移ろいを感じる人もいれば、「夏はいつの間にか終わっていて、いつも終わってから気付く」と話す人もいました。
ユースてつがくカフェは、10代のみんなが自由に思いや考えを語れる場です。
興味のある人は、ぜひ気軽にのぞいてみてくださいね。