2023
03 02
メディアテーク開館
仙台市民図書館開館
報告 2026年08月10日更新
【レポート】第52回公開ミーティングを行いました
今回のユースてつがくカフェには5人の若者が集まり、「小説を読んでいるときやドラマを見ているとき、自分はどこにいる?」という問いから対話を始めてみました。
ある参加者は、「キャラクターとして物語の世界を見ているけれど、自分自身がキャラクターになっているのとは違う気がする」と教えてくれました。それに応える形で、「映画のシーンの端っこ、草むらのようなところに身を置いて場面を見ているかも」、「作品によるけれど、主人公に共感するような場合は、半分は主人公の中に入っていて、もう半分はどこか別のところにいる気がする」、「逆に、登場人物たちが自分にインストールされる感覚がある」という意見が出されました。絵本を描いたり、曲を作ったりする参加者がいたことから、話題は「物語」に移りました。
自分を主人公にした絵本を描いているという参加者は、自分の描いた物語を、自分とは別の受け止め方をする人がいることに面白さを感じるそうです。また、物語の機能について、「社会問題については、ニュースで聞くよりも、物語という形で提供される方が実感を持ちやすい」という意見が出たり、自分の感情を消化する「代打」として物語を読んでいるところがある、と話す参加者もいました。日常生活でも、あえて物語の登場人物のように自分を演じてやる気を出すなど、「形から入ること」を意識的に実践しているという声があったり、「分かりにくさや違和感」をきっかけに物語を好きになることもある、という意見もあがりました。
続けて、笑いのツボがまわりの人にうまく伝わらない、という経験を発端に、「楽しく感じることが人それぞれ違うことの不思議」が話題になりました。ある参加者は、「友人がiPadにはまっていて、一緒にいるのに匿名チャットで話そうとしてくるけど、その楽しさを共有できない自分がいる」と打ち明けてくれました。それに対して他の参加者からは、「面と向かって話そうよって言ってみては?」という提案があったり、「相手にとってはコミュニケーションの"味変"なのかもしれない」といった分析がなされたりしました。
休憩を挟んで、後半は「民主主義」について話してみました。
話題を提供してくれた参加者は、民主主義という枠組みの中で社会が良くなるためには、私たちひとりひとりの「知の底上げ」が必要であると感じているそうです。他の参加者も、まわりの人たちの政治への無関心さを感じていたり、他の人の困りごとを自分事として捉えられる人が少なくなってきているのではないかという思いを話してくれました。一方で、SNS上での不毛なやりとり(レスバ=レスポンス・バトル)の様子から、「そもそも民主主義っていうけど、みんなが納得して何かを進めることってできるの?」という疑問も出されました。また、「完璧な社会はつらい」、「愚かさや不寛容さも、ある程度は許容されるべきではないか」といった意見があがり、「ひとりひとり立場や状況が違っていて、自分の立ち位置からしか社会を見ることができないし、全てを自分事として捉えることもできないのではないか」といった指摘もありました。「知の底上げ」については、学びたいときに学べるような社会設計と、学ぶことを楽しいと感じさせるような仕掛け作りが必要ではないかという意見が出されました。
今回は、夏休み中ということもあって、小学生から大学生・社会人も交えての対話になり、難しい内容にも挑戦しました。ユースてつがくカフェは、毎月定期的に開催しているので、気になった方は気軽に参加してみてくださいね。
主催:てつがくカフェ@せんだい/せんだいメディアテーク